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そよ風と 木漏れ日と・・・
クリスマス本番の今日は、友人宅でピアノレッスン。そして、クリスマス『お菓子の家』の解体を行ったのです。
それは1週間前から楽しみにしていたイベントでした。その詳細は後日。
今日の友人宅からの帰り道の出来事でした。わたしの乗っている市バスに京都駅から乗ってきたヨーロッパ人と思われる若いカップル、バスに乗ったはいいけれどあきらかに挙動不審。
男性のほうが乗客のご婦人に片言の日本語でなにか尋ね、ご婦人がゆっくり簡単な日本語で答えてあげているけれど、全く理解できていないと思われる。
焦りながらも、あきらめムードが漂う二人。二人でヒソヒソ。
わたしが座っているところの、通路を挟んで向かいに居る二人の話している言葉は英語ではない。モショモショしている音はフランス語かもしれない。
『わたしに出来ることあるかしら?』という雰囲気を発散させながら二人の方を見てみました。女の子と目が合ってニッコリしてみたら、むこうもニッコリ。
が、依然として二人はあきらめムード。
思い切って(すごく勇気をふり絞って)声をかけてみました。
’ Est-ce que je peux vous aider ?( エスク ジュ プ ヴゼデ? Can I help you?)
そうしたら、女の子の目がパーッと輝き、まさに地獄でホトケ状態。
次の瞬間、案の定、フランス語でベラベラと早口で喋りかけられました。
’???’ と、なりましたが、こうなることも想定の上でしたので、落ち着け落ち着け、と思いながら、
『もう少しゆっくり喋ってください』と言ってみる。
この市バスの乗車口で持っているチケットを入れる機械がなかったのだが、どうしたらいいのか?ということでしたので、どんなチケットを持っているのか尋ねてみたら『京都市内』と書いてあるJR新幹線の切符だったので、これはバスでは使えない。降りる時に220円を箱に入れよ。
と説明してなんとか通じました。
どっと安心した様子の二人。二人で220円、220円と言い合っています。
それからは茶飲み話ムードになって、
『フランス語お上手ですね。フランス語を使って仕事しているのですか?』とお世辞を言われ、『いえいえ、そんなにうまくはありませんよ。姉がパリにいるもので。』
(女の子)『パリね。わたしもパリは好き。』
(わたし)『あなたはどこに住んでいるのですか?』
(女の子)『ポーランドです。』
(わたし)『じゃあ、お二人はポーランド人でポーランドに住んでいるのですね。』
(女の子)『そうなのです。彼は日本に住んでいるのですが。』
(わたし)『日本はどちらにお住まい?』
(女の子)『東京です。』
(わたし)『いつから?』
(女の子)『2日前からです。彼が東京で働くことになってこちらに一緒に来たのです。今日から3日間京都に滞在し、東京へ戻り、それから5日後にわたしだけはポーランドに帰るの。こんな状況、信じられナーイ。』
と、日本語に書き起こすとこういう具合にスラスラっぽいのですが、実際は単語を頭の中で探しながらとつとつと喋り、脳細胞フル回転でなんとかこれだけを理解したのです。
男の子のほうはフランス語は話せないようでした。日本で働くことになって日本語を少し勉強したけれど、実際に話すレベルではなく、女の子の前でカッコつけようとしたがあえなく失敗、という様子でした。
わたしが恐る恐る話しかけてみたときの、女の子の輝いた表情が印象的で忘れられません。
コミュニケーションの醍醐味を噛みしめた瞬間でした。
写真は、市バスの車内からたまたま撮っていた『京都国立博物館』の端にあった面白い形の木です。
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