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セシル・テイラーの世界

今年の京都賞の思想・芸術部門の受賞はセシル・テイラー。そのワークショップが京都コンサートホールであるから一緒に行きましょう。と、1ヶ月以上前にお誘いを受けました。
ネットの申し込みフォームから申し込んで入場券を送ってもらいました。

わたしは今まで稲盛財団の京都賞のことはよく知りませんでした。先端技術部門、基礎科学部門、思想・芸術部門の3部門で賞が授与されます。
今年はなんと第29回。29年続いてきているのですね。

京都賞

84歳になるセシル・テイラーはフリージャズのジャンルのピアニストです。即興演奏や詩の朗読をしながら、今日は舞踏家の田中泯さんとのパフォーマンスです。
舞台に登場したセシル・テイラーと田中泯。それぞれ舞台の両端に分かれて、どうなるのか、と思っていたら10分ほどじっとされています。よく見ていたら、少しずつ動いてる。
舞台の照明は薄暗い。無音の状態が続きます。2列ほど後ろからはかすかないびきも聞こえてきました。
今日の舞台を見ることについては、これは一筋縄ではいかないわ。と、気持ちを白紙の状態にして気合を入れました。

ちょっとずつ動いてまた10分ほど。セシル・テイラーが「えええ~」という声を出し、そして英語で詩の朗読をし、田中泯は段々と動きが増すような踊りをし始め。
セシル・テイラーがやっとピアノの音を出したのは演じ始めてから30分ほど経った時。
その曲はドビュッシーを思わせるような響きの美しい、主題を持った、いつまでも聴いていたくなるような曲でした。
曲に合わせて田中泯は何度も倒れこむような踊り。
終わったら1時間ほど経っていました。

京都賞

15分休憩の後の後半は、最初から激しい演奏、激しい踊り。途中、いろいろな緩急・強弱をつけながら曲が進み、田中泯の踊りも激しさを増していきます。
少しだけ詩の朗読も入りながら、二人とも興が乗ってきたようで、なかなか終わりが来ません。こういう即興の演奏の終わり方はどうなるのだろう、と興味を持って見続けました。
終わりそうで終わらない、そんな演奏が続いた後、ようやく最後の音が響きました。
満場の拍手が鳴り止みません。

刺激的でしたが、正直、ちょっと疲れました。でもこういう釈然としない芸術の場は、心になにかを残してくれることが多いもの。 解りやすさばかり求められる、今の日本の消費文化(言いきってしまいました。異論は受け付けます。)の中にあっては、1970年代〜1980年代ぐらいの創造的な冒険を思い出させる、貴重な体験ができたと思います。
今日の独特の空間は、たぶん折にふれて頭に浮かんでくることになると思うのです。

個人的な興味でどこのメーカーのピアノを使用されているのか、終わってからステージの下に行って見てみましたら、ベーゼンドルファーでした。 それから、終演後の通路で、日本のフリージャズの第一人者である山下洋輔さんを見つけました。山下洋輔さんは1973年のセシル・テイラーの初来日公演で衝撃を受けられたそうで2007年には共演も果たしていらっしゃるらしい。

これは、開場前のコンサートホールの前でお見かけした田中泯さん。

京都賞

同じく開場前、田中泯さんがコンサートホールに到着されたセシル・テイラーさんを迎えていらっしゃるところを見ることができました。

京都賞

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