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深夜の災難

震災後、お風呂のあとのお湯をすぐに抜いてしまわないことが多くなりました。
全国のどこかで速報レベルの揺れがあった後などは、意識して貯めておきます。掃除のことを思うとすぐにお湯を抜きたくなりますが。

ウィスキーにとっては夜中もぬくぬくで気持ちがいいらしい。ずんずん冷めていってしまうとは思うのですけれど。
それでもフタの上の少しの温もりが気に入っているようで、夜中もよくフタの上に乗りに行っているのです。

そんなある夜、ガタン、ドタン、ドタドタ、という音で目が覚めました。
「あー、やっちゃったな。」と何故かわたしはすぐに見当がつきました。

思った通り。ウィスキーが乗ったフタが乗った勢いで動いて歪んだのか、詳細まではわかりませんが、ともかくフタの片方がお湯のなかへ落ち込んでしまったのです。
フタが斜めっただけで溺れることはないとは思います。でも必死でフタに這い登ったのだと思います。
お風呂からすごい勢いで飛び出していったのだと思います。

家族のものがタオルを持ってウィスキーを確保に行った様子も伺えたので、わたしはのんびりとベッドで想像し続けていましたが、一応覗いておこうかと。
見に行ったら、タオルにくるまれて抱っこされていました。

濡れていたのは下半身だけでした。もう拭いてもらってかなり乾いていました。元来抱っこは嫌いな猫なので、もがいて腕から飛び出し、その後は自分で舐めて毛づくろいをずーっと続けていました。

結構用心深くて、一度怖い目にあうとしばらくは近づかない。そういうタイプだと思っていました。
が、次の夜、お風呂を沸かしたら誰よりも早く浴室へ行って、お風呂のフタの上でごろーんと横になっていました。

歳とともに図太くなってきたのかしらん。・・猫も、そう・・なの・・?


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