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フィンランディアバー

かなり古い話になりますが、今のように世界各国の料理を食べられるレストランが少なかった頃、京都の五条通に『フィンランディア』というフィンランド料理のレストランがありました。
北欧のシンプルモダンな内装でフィンランド料理が食べられる、ちょっと大人なレストランとして、背伸び気分で食べに行ったものでした。

去年暮れごろ、西宮で北欧のパンのお店に入ったという話をFacebookに書き込んだ友人へのコメントに、レストランフィンランディアのことを書いた別の友人がいて、同級生の数人がいっせいにその話題に食いつきました。
『鹿の料理があったねえ。』
『トナカイじゃなかった?』
『え、鹿だと思ってた。トナカイだったの?』
『トナカイ食べたよ。』
『どんな味だった?興味ある。』
などというやりとりが続きました。

『レストランフィンランディア』は2000年になる数年前になくなってしまったのですが、なくなるより前からレストランと同じ経営で、祇園に『フィンランディアバー』があるのをわたしは知っていました。
1度行ったことがあったからです。それでFacebookのやりとりの合間にネットで探してみたらフィンランディアバーのサイトがありました。
記事にはトナカイサラミがあると書いてあります。

『フィンランディアバーに行ったらトナカイサラミがあるよ。』という情報を投げかけたら、
『行ってみたいけど、下戸だから。』という同級生。
『それなら、呑めるわたしが一緒に行きますよ。』
そうしたら、『わたしも行きたい』『わたしも行く』と、あと2人の友人も。その2人も呑めないくち。

結局、呑めるわたしが呑めない友人3人を案内して『フィンランディアバー』に行くことになりました。

雪が降るかもしれない寒さという予報の昨晩。腹ごしらえはバーの近くのうどんすきのお店『美々卯』で。
『美々卯御膳』

美々卯

天ぷらもつきます。ナスとレンコンの天ぷらを食べてしまったあとの写真ですが。

美々卯

熱々のお茶のおかわりもすぐに注ぎに来てくれるので、ゆっくり食べて、ゆっくりおしゃべりして、危うく本日のメインのバーのことを忘れてしまいそうになりました。

ささ、もう行きましょう。と席をたったのはもう2時間近く経ったあと。
花見小路を下がって一筋目を西へ。そうそう、ここです。一見バーとは思えない京都の町家。京料理のお店かお茶屋さんのようです。

フィンランディアバー

まだお客さんのいないお店のカウンターの一番奥に並んですわりました。
バーテンさんたちにフィンランディアレストランが懐かしくて来ました、トナカイも食べたくて来ました、などと話しつつ。
下戸3人はノンアルコールのカクテルを作ってもらい、わたしは柚子を漬けたウォッカのトニック割りを。
ノンアルコールのカクテルもそれぞれにどういうのがいいか聞いてくださって、色が綺麗なのがいい、柑橘系がいい、などのリクエストに応えてくださいました。来たのは、淡いブルー、オレンジピンク、イエローと3種類の爽やかフルーツ系ノンアルコールカクテル。

フィンランディアバー

トナカイサラミ(お店の人はトナカイソーセージとおっしゃってました)は北海道の牧場にいるトナカイを燻製にしたものだそう。
フェンネルが乗って来ました。
味は、トナカイと言われないとわからない普通の肉の味、でもとてもおいしい燻製でした。

フィンランディアバー

四条大宮のフィンランドのパン屋さん『キートス』は『レストランフィンランディア』で働いていた方がやっていらっしゃるそうです。
『フィンランディアバー』が出来た頃は、純然たるショットバーとしては京都には『サンボア』か、わたしと夫の古くからの行きつけのバー『写楽』ぐらいしかなかったそうです。
てなお話を、バーテンさんと楽しみました。

だんだんお客さんが来られてカウンターも埋まってきました。ここでもゆっくりおしゃべりしました(どんだけしゃべるネタがあるのか、というぐらいしゃべりますね)。
これ以上呑まない私たちは、もうこのへんで退散するのが粋というもの。
ワンショット、チャージ付き、プラス『トナカイソーセージ』一皿で一人1600円は、気軽に来られるバーですね。



ぎをんフィンランディアバー
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